先週読み終えました【ネタバレあり】

今日も良いお天気ですね!つい外に出てお出かけしたくなります。

このくらいだと風も涼しいので、窓を開けておくだけで快適です。

 

さて、つい先週に2020年本屋大賞を受賞された凪良ゆうさんの「流浪の月」を読みました。率直な感想で私はすごく好きです!善意の優しさは時に刃にもなる。すべてが優しさのまま相手に伝わるわけではない。

何かどんでん返しや派手な展開があるわけではないですが、じわじわと心に滲んでくるものがありました。最後、放心して、読み終わった時の自分の感情をどう表現したらよいかわからなかったですが、お気に入りの一冊になりました。

そしてまた読みたいので、手元に置いておくことにしました。

この先はネタバレがあるので、まだ読んでない方は、ご理解の上お読みください。

 

 

 

【ストーリー】

主人公の少女は、一般的なごく普通の家族とは少しずれているらしい。

でも彼女にとってはそれが当たり前だった。

小学生の彼女は、とある事情で叔母の家で暮らすことになるが、そこは彼女にとって居心地の良い場所ではなかった。

みんなに合わせることが正解。

友人と遊んでいても疲れるだけ、家に帰ってもまた苦しいだけ。

そんな時に彼と出会った。いけないことと知りつつ自ら彼についていった。

 

彼との生活はとても楽しかった、満たされていた。なにより自由だった。

ただ、世間ではそれを誘拐事件として扱った。

 

誘拐事件の犯人として彼が逮捕された。その後の彼がどうなったかわからない。

彼女は幼いがゆえに真実を言えなかった、自分を救ってくれたはずの彼を救えなかった。

月日は流れ、彼女は大人になり社会の中で生きていくすべを身に付けた。

でも、幼いころに彼女の弱さに巻き込んでしまった彼の存在が頭から離れなかった。

 

とある日にその彼と再会する。

当時の事件は、世間から被害者と加害者と分けられそれぞれ、事実として世間の目にさらされてきた。

真実を述べても誰も信じてくれない。

事実と真実はいつでもイコールではない。

再会した2人は、お互いを必要としていたし、一緒にいたいと思っている。

でも愛情とは違う、友情とも違う。

でも一緒にいることを世間は認めない、周囲の人間の善意の優しさや、事実に偏った偏見に振り回されていく。

 

人とのあり方は様々で、2人の関係も世間でいう愛とも違うかもしれない。

周りがどうであれ、お互いの存在が生きていくための支えになっている。自分の存在意義になっている。

私は二人に幸せになってほしいと心から願わずにはいられなかったです。

 

今後映画化などもされたらいいなと、勝手ながら思いました。

 

【ぜひ読んでほしい】

【2020年本屋大賞 大賞受賞作】流浪の月